荒唐無稽、宇宙の無限に震えつつ夢では語れぬ世界と対す
多感なる少女期神秘にとらえられ人智の届かぬ存在信ず
創造の主は想像の枠を超え宇宙の調和の要を統べしか
何故ここに私の生命ありてこそ ささやかすぎる営みするのか
渦巻ける思考はカオスに砕け散る。意識の限界浅きを知れり
カシオペア、オリオン、北斗、北極星、変わらぬ指針と仰ぎて過ぎにし
プレアデス和名すばるの名をきけば胸きゅんなりし思い出騒ぐ
七つ星の在り処いまだ知らずして届かぬ恋に完結はなし
ままならぬ逢瀬の恋の苦しきに銀河を渡る勇気祈れり
私に物語のような思い出の詰まりし図書室鎮もりて在る
年経ても心に消えぬ星間旅行ひたすらの夢追いて生きたし
闇から闇へ果てなき荒野に点のごと水の惑星ありて愛しき
よるべなき宇宙の孤児か惑星はささめく生命抱きて嘆ける
永遠を翔べるならば兄弟なる生命棲む星見つけるものを
いつしかに心に広がる星空を自由に旅する私見え初む
忘れし頃火星に探査機到達し生命の水の痕跡報らす
紙製のクラフトのごとき探索車、火星の原野を独り進める
メルヘンの火星人は消失し原野に現実のロマン息づく
「二００一年宇宙の旅」は成らずとも新世紀への夢は膨らむ
