少年のピュアな訴えまっすぐに弾けてわたしの芯を撃ちたり
このように始めた筈のわたくしをどこかに忘れた 激しく悔いる
十七歳の娘は彼に共感しない。別の生き方さぐっているのか
太宰と彼と重なり迫り来 感性の鋭き刃(やいば)に刺されて わたしは
青春の旗手のようなふたりだと迎える聖域こころに在りて
この街と幾度も彼が歌いしは形骸化せし都のことなり
その昔、都を訪ねしわたくしの恋の旅はも拡散したる
物語になりし恋の古写真、新宿御苑は緑さやかなり
いまに在るわたしと過去と交錯す時間の不思議あばかれぬまま
流されず居続ける自己も確かにありて遥かな昨日の今日に繋がる
時空を超え いま届きたる尾崎豊の声にあふるる生命かなしも
若竹の儚く折れて空をゆく彼にわたしの再生つたえたい
「ありがとう」湧き来る雲の白さよりなお浄らかな魂に言う